―英語がどんどん書けるようになる本―, 遠田 和子, 講談社インターナショナル (2009).

Webが普及して、でっかいコーパスが目の前にある。Googleという性能の良い検索ツールもある。それなら、英作文にそれらを活用しよう。という趣旨の本です。

辞書や文法書をWebとGoogleで置き換えようという乱暴な本ではありません。これまでは辞書と文法書だけが頼りだったけど、WebとGoogleも合わせて活用しようというものです。

辞書と文法書に対して、WebとGoogleの強みは何かと言えば、共起関係を容易にかつ大量に見ることができる点です。Collins COUBUILDなんかは、コーパスから得た頻度順に説明が書かれていたりしますが、言葉は独立した単語あるいは独立した単語の組み合わせで成り立っているものではありません。互いに関連する共起関係が、言葉の自然さや分かり易さに大きく影響します。そこのところを、WebとGoogleを使って補完しようというものです。

まぁ、気になるところとしては、次のような点あたりでしょうか。

  1. どれくらいのページ数がヒットすれば、とりあえず安心なのか?
  2. 場面(たとえばフォーマルなものとそうでないもの)に応じた言い回しをどう選ぶのか?
  3. 検索結果の信頼性はどうなのか?
1つめについては、「万単位のページがヒットすれば」と言うようなことが書いてあります。数万くらいでしょうか。2つめについては、共起である程度判断するというような例がありました。3つめについては、検索対象のトップレベル・ドメインやセカンドレベル・ドメインあたりを、"edu"とか"ac.uk"とかに制限してやればというようなことが書いてあります。

書かれていること自体は平易なのですが、実行するとなると実際には英語の実力がそこそこないと難しいかもしれないのではないでしょうか。