さて、わたなべ社長がこういうことを書いている
「ブラック企業」と呼ばれることについて
で、わたなべ美樹氏「離職率や平均残業時間といったデータを開示することには大賛成だ」という記事がある。
こちらでは「正しく情報を提供することには賛成です。」と述べている。なるほど素晴らしい。
上の方のリンク先を読まれた方はどのような印象を持たれただろうか?できれば少し記載されている人数にも注意を向けて読んでいただけると、後の話がしやすい。
記事は、まず何%かとか平均値が示されている。その数値自体は正しい情報なのだろう。ただし、母集団の人数が記載されていない(ホームページ参照ということかもしれないが)。だが、何%と言っているが、それは何人なのだろうか? また、平均値は、それのみでは大して意味を持たない。細かい話はしないが、(0+100)/2 = 50であり、(50+50)/2 = 50だ。つまり、母集団がどういう分布になっているかについての情報がなければ、意味が無い。(なお、サービス残業あたりは実態がわからないのでここでは考えない。)
さて、少しばかりメンタルヘルスのところに注意して、上の方のリンク先を読んでいただきたい。どう思われただろうか?もしかして、「3万人に対して4人」という印象を持った方はいないだろうか?そのような方がいなければ、幸いである。あるいは、「なぜここだけ4人という人数を出すのだろう?」と思った方がいれば、幸いである。
メンタルヘルス関連の割合は、0.30%だ。0.30%が4人に相当するということは、母集団の数はどうなるだろう?
x * 0.003(=0.30%) =4
このxを求めてみよう。
x = 4/0.003 =1,333.3
まぁ1,333人だ。もし、この人数を見て「あれ?」と思われた方がいたとしたら、私がこの記事を書いている意味が存在することになり、私はとても嬉しい。
2番めのリンク先でわたなべさんが言っている通り、1番めのリンク先では間違った情報は提供していないのだろう。それは、つまり正しい情報を提供するという主張には矛盾しない。どの数字も間違いではないのだろう(時間外労働については、サービス残業などの情報がないため、とりあえずその数字が正しいかどうかの判断は保留する)。
しかし、どのように情報を出すかによって、その情報は意味のあるものにもなるし、意味のないものにもなる。そして、どのように情報を出すかによって、読み手が受ける印象が違う可能性もある。
つまり、正しい情報を出すだけでなく、情報は正しく出さなければならないのだ。
あくまで想像でしかないが、わたなべさん、あるいはブレインは、情報をいかに出すべきかを知っているのだ。そうでないなら、なぜ母集団の分布について僅かなりでも書かないのかが疑問になる(これは単に、書くとしようとするとblogの記事としてはややこしいからかもしれない)。そして、なぜメンタルヘルスにおいてのみ具体的な数字を書いているのかが疑問となる。いちいち「ワタミの外食事業」と書き、「パートさんやアルバイトさんを含めると〜」と書いているのだ。メンタルヘルスに関して「4人」と書く理由はない。母集団が違うことを書いているからだ。
まぁ、この手の話はこの場合に限った話ではない。どの個人、組織、企業、官庁、政府が出す情報であれ、同じようなことはありうる(というか、一部は明らかに存在している)。数字や表やグラフ、そしてそれらに対する説明は注意して読むようにしたいものだ。
「ブラック企業」と呼ばれることについて
で、わたなべ美樹氏「離職率や平均残業時間といったデータを開示することには大賛成だ」という記事がある。
こちらでは「正しく情報を提供することには賛成です。」と述べている。なるほど素晴らしい。
上の方のリンク先を読まれた方はどのような印象を持たれただろうか?できれば少し記載されている人数にも注意を向けて読んでいただけると、後の話がしやすい。
記事は、まず何%かとか平均値が示されている。その数値自体は正しい情報なのだろう。ただし、母集団の人数が記載されていない(ホームページ参照ということかもしれないが)。だが、何%と言っているが、それは何人なのだろうか? また、平均値は、それのみでは大して意味を持たない。細かい話はしないが、(0+100)/2 = 50であり、(50+50)/2 = 50だ。つまり、母集団がどういう分布になっているかについての情報がなければ、意味が無い。(なお、サービス残業あたりは実態がわからないのでここでは考えない。)
さて、少しばかりメンタルヘルスのところに注意して、上の方のリンク先を読んでいただきたい。どう思われただろうか?もしかして、「3万人に対して4人」という印象を持った方はいないだろうか?そのような方がいなければ、幸いである。あるいは、「なぜここだけ4人という人数を出すのだろう?」と思った方がいれば、幸いである。
メンタルヘルス関連の割合は、0.30%だ。0.30%が4人に相当するということは、母集団の数はどうなるだろう?
x * 0.003(=0.30%) =4
このxを求めてみよう。
x = 4/0.003 =1,333.3
まぁ1,333人だ。もし、この人数を見て「あれ?」と思われた方がいたとしたら、私がこの記事を書いている意味が存在することになり、私はとても嬉しい。
2番めのリンク先でわたなべさんが言っている通り、1番めのリンク先では間違った情報は提供していないのだろう。それは、つまり正しい情報を提供するという主張には矛盾しない。どの数字も間違いではないのだろう(時間外労働については、サービス残業などの情報がないため、とりあえずその数字が正しいかどうかの判断は保留する)。
しかし、どのように情報を出すかによって、その情報は意味のあるものにもなるし、意味のないものにもなる。そして、どのように情報を出すかによって、読み手が受ける印象が違う可能性もある。
つまり、正しい情報を出すだけでなく、情報は正しく出さなければならないのだ。
あくまで想像でしかないが、わたなべさん、あるいはブレインは、情報をいかに出すべきかを知っているのだ。そうでないなら、なぜ母集団の分布について僅かなりでも書かないのかが疑問になる(これは単に、書くとしようとするとblogの記事としてはややこしいからかもしれない)。そして、なぜメンタルヘルスにおいてのみ具体的な数字を書いているのかが疑問となる。いちいち「ワタミの外食事業」と書き、「パートさんやアルバイトさんを含めると〜」と書いているのだ。メンタルヘルスに関して「4人」と書く理由はない。母集団が違うことを書いているからだ。
まぁ、この手の話はこの場合に限った話ではない。どの個人、組織、企業、官庁、政府が出す情報であれ、同じようなことはありうる(というか、一部は明らかに存在している)。数字や表やグラフ、そしてそれらに対する説明は注意して読むようにしたいものだ。