先日、「NSAがやってたからシリーズ完結させられなくなった」という作品の話がありました。「本物のSFが読まれなくなっているんだな」と思いました。

まぁ以前も書いたと思いますけど、H. G. ウェルズやジュール・ベルヌやメアリー・シェリーという近代SFの親が偉大すぎるってのはありますが。

そういう歴史を見てみると分かるのですが、本物のSFは問を発しています。ここが勘違いされる所ですが、「作品中に示した解」について考えろという問ではありません。「問そのものを問え」という問を発しています。だから、読んだ後も、問が頭の中に残り続ける。

そういう作品だと、当然読み手側にもそれなりのものが要求されます。SFが広く受け入れられないのは、ここが問題なんでしょうね。そんな面倒なのは避けたい人が多いでしょう。ですが、そこを避けたら本物のSFは本当に消えてしまう。

SFは娯楽という見方をしている人にはこの辺りは分かりにくいかもしれない。SFは思想を示し、思考実験を行なっているものです。トリック的なもので成り立っているものはSFたる資格がありません。「NSA云々」の作品は、思想があまりに浅薄だったということです。