計算機関係だと、フォントのアンチエイリアシングなんて話がありますが。それとは別物の話。アルファベットのフォントの設計の図なんか、実は計算機が現れるより前の大昔にも同じような書き方をして説明してたりします。むしろ逆に、そういう伝統の上にフォントの記述方法が定められたのかもしれませんが。

自動車のCMとか、映画の場面とかで、車輪が回り始めるあたりは回っている方向に映るものの、ある所で逆に回転しているように映ったりします。これ、動画を撮る/写す周波数が追いつかなくなり、エイリアシングが起きているからです。というか、そういうのをエイリアシングと呼びます。

同じようなことが音声でも起こります。最近は少なくなったかなと思いますが、YouTubeでなんか変なキンキンした音が聞こえることがあります。これ、エイリアシングが起きているからです。

信号をサンプリングするには、サンプリングする周波数の2倍のサンプリング周波数が必要だと言われます。この2倍のサンプリング周波数をナイキスト周波数と呼びます。ここで、サンプリングしたい周波数の2倍のサンプリング周波数でサンプリングすればOKと思われることがあります。これ、勘違いです。

信号の周波数は置いといて、0radから2πradでのsinでも考えてみましょう。信号としては0radから2πradで1周期、周波数はx Hzとしましょう。その2倍のサンプリング周波数というのは、例えば0radとπradの時にサンプリングをするわけです。x Hzの信号に大して、2x回のサンプリングをしています。周期としては半分、周波数としては2倍になります。で、(1/2)π radと、(3/2)π radでサンプリングすれば、sin波そのものは復元できませんが、それなりに近いものを復元できます。ですが、2倍のサンプリング周波数と言っても、0 radとπ radでサンプリングしたら、0の並びしかサンプリングできません。ナイキスト周波数は、「運が良ければ、近いものを復元できる」あるいは、「それくらいないとどうあがこうと復元のしようがない」という条件です。

で、まぁこの辺りが問題になります。動画とかで低周波数の信号にエンコードするとき、そのエンコードが対応しているものを超えた周波数が含まれているとエイリアシングが起こり、キンキンいうようなおかしな音声が入ることになります。 どうしたらいいかというと、いまどきの編集ソフトは結構自動でやってくれているんじゃないかと思ったりもしますが、適切なローパスフィルタを一回とおしておけばエイリアシングは防げます。

ところで、「ナイキスト周波数でサンプリングしても復元できない」と書きました。ではどうするかというと、「その数倍のサンプリング周波数は最低限必要」ということになります。

えー、CDのサンプリング周波数は44.1kHz。人間の可聴域は20Hz〜20kHz。まぁ上の方は、成人するあたりからガンガン下がっていきますが。子供のころ、親が庭仕事するときに使っていたモスキート音をだす機械がありまして、「うるせぇ」と思ったものですが、今はもうさっぱりです。それはともかく、理屈としては、CDは人間の可聴域をカバーする規格になっていません。カバーする必要もないとも言えますが。それでもより高周波を復元する研究なんかもあります。

動画とか音楽とかを自由に配信できる世の中になったので、いまさらながらちょっと気になったので。