先日、親子の認定について、法律かDNAか過ごした時間などの関係かという事についての判例が出ました。
民法の「嫡出推定」規定は、DNA鑑定の結果より優先されるとの初判断を示した。

ち なみに、私、子供の頃に養子の話がありました。まぁ相手はよく付き合いがある親戚でしたが。うちの親からも、向こうの親からも話を聞いた覚えもあり、後 に、そういう説明をしたとの確認もしてあります。親戚ですし、両方の家がやたら遠く離れているわけでもありません(車と電車で2時間くらいかなぁ)。適当 に行き来して構わないという話でしたし。まぁ、親戚の家はちょっとした会社をやっていたのですが、子供がいませんでした。ぶっちゃけると、それが養子の話 の理由です。結局いろいろ話して、養子には行きませんでした(話が面倒になりますが、別の親戚ともその頃から(もっと前からなのかも)結構後までちょい話 もあって。養子じゃないですけど。跡を継がせる的な話にくくれば同じような感じになりますが。でもまぁ継ぐとかっていう仕事とかやる事でもないですが)。 なんというか、その後、「双方、それはどうなんだろ?」的なやりとりが両親と親戚の間でありましたが、それはまた別の話。だからというわけなのかどうなの かは知りませんが、ちょい昔に、その親戚は「歳だから」ということで会社を売りました。んー、売ったというのともちょっと違うのか。でも別会社だったから 一応売ったことになるのか。


そういう経験があるので、こういう話について少しくらいなら何か言ってもいいんじゃないかと思い、これを書いています。


で、 まず嫡出推定という法律が、現在ではナンセンスだということ。その法律自体が「Y染色体の提供者が誰かなんて分かんねーじゃん」という時代のものを元にし ていること。Y染色体の提供者が誰か分からずとも、「俺の子じゃない」と分かる事例はあったはずですが、とりあえずそういうふうにしとくしかないという時 代のもの。それに基づいた判決を出す、バカが支配的な状況をとにかくなんとかしないといけないという状況を明らかにしています。もっとも、5人の裁判官の うち2人は、「ちょっとどうだろ?」と言い、意見も言っていたということなので、バカ支配についてはまだ希望があるかも。


そうすると、DNAか、時間が築いた親子関係かという話になります。これらは、どっちを優先すべきという結論は出せません。


ちょ い極端な話をしましょう。遺伝学的な親子であって、父が(母でもOK)が子を虐待していたとします。なので母が(父でもOK)が離婚し、その後別の人と結 婚したとします。子供は幼児だったので、そのあたりのことは知らない。再婚後の親子関係は良好だったが、子供が20歳になって戸籍を見て、父(母でも OK)だと思っていた人の子供ではないことを知った。まぁこの場合、養子にしてるんじゃないかとは思いますが(でも養子であるということは分かる)。さ て、この場合、父親(あるいは母親)は誰でしょうか? (書いていて思ったけど、案外極端な話でもないのかも。)


DNAと時間(と関係)のどちらかを優先すると法律で定めるナンセンスさが分かるかと思います。状況によって、双方の親、そして当人である子供の関係や考えを充分に考慮し検討するというルールの他には、何も定められないと考えるのが妥当でしょう。


た だし、遺伝学上の両親の両方から捨てられるという場合もあります。その場合は、「子の身分の法的安定性の保持」が重要になるでしょう。ですが、これも考え てみれば、DNAに基づく親子関係か、時間が築いた親子関係かを区別する理由はあまりありません。DNAに基づくものは、最後の手段と思うほうがいいん じゃないかと思います。例えば、上の例で、再婚後10年くらい経って母親が子供を残して失踪し、後に再婚相手と離婚したとします。その状況で遺伝学上の父 だからということで、子供の面倒を見ろと言われたとしてどう思うでしょうか? あるいは虐待があったことを知りつつ、遺伝学上の父親に子供の面倒を見ろと言える人がいるでしょうか? あるいは10年とか接してきた父親が放り出すでしょうか(放り出すかもしれないけど)?


も ちろん、遺伝学上の親も、関係としての親も分からないという状況もあるでしょう。それはそもそも嫡出云々がそもそも不明なので、法律でも対象外です。これ をどうにかしないとと思いますが、遺伝学的な親子だからという理由で、面倒を見ろと言われても…という状況もあるんだろうと思います。まぁそのうち国民全 員のDNAの情報を登録しておいて、「あなたの子供です」と言われるようになるかもしれませんが。そうなったら、言われた側はどう感じるんでしょうね?


この話に限りませんが、「考えろ」以外のルールを作るのはかなり無理という結論しか出てこないという例です。